あの日の…傷ついた亜沙美の顔が、何度も脳裏に浮かぶ。


あんな傷つけ方は…ナイよな。オレも、何であんなマネ。


後悔しても、しきれない。


亜沙美の色気にやられそうになった自分を…忘れ去りたい。







「あ~、クソッ」


「きゃっ。花柳さん凶暴~!ハサミ持って暴れないで下さいっ」


「悪い。…さて、VIP行ってくっかなぁ。あ~ダリーな」


「花柳さん、最近頑張り過ぎじゃないですか?いつも遅くまで残ってるでしょ。オーナーに聞きました。

花柳さんが、とうとうやる気になったって」


「あっそ。やる気になるワケねーし。単なる気まぐれですわ。んじゃ、行ってくる」


「行ってらっしゃ~い」







あの事があってから、家に真っ直ぐ帰る気にもならねぇし


ましてや、オンナ引っ掛ける気にもならず…


仕事するしかなく、店にいつまでも残ってる状態に。