「花柳さん!」


「…へ?」


「へ?じゃないですよ~。次のVIPルーム、超VIPらしーじゃないですか。そんな煙草の匂いさせてちゃダメですよぉ?」


舞がオレを見て顔をしかめる。


コイツにも…悪いコトしたよな。好きになれねーなら、トコトン冷たくするべきだったのか?


あのカラオケの日から…舞は何も言わない。普通に接してくれるコトが、どれだけ有り難いか。







「あぁ…そーだな」


最近やたら煙草休憩が多くなった。


やたらイライラする…。






仕事してても客との会話は、うわの空。


取材の時も…何だか上手く自分を表現する事ができなかった。





亜沙美が溺れた時


…オレは何でそのまま戻ってしまったんだろう。


みうから、無事だって聞いて…安心はしたものの。


優羽吾の言うままに亜沙美に背を向けて、本当に良かったのか。


アイツ、オレのせいでかなりコたえてるハズなのに…な。