「祐…」


「後さぁ。恋愛が全てじゃないぜ?強制的に勉強する事なんか、高校ん時しかねぇから。今んなって、もっと勉強しときゃ良かったなーて思うわ。

ま、オレの場合はやっても頭悪かったろ~ケドな?」


「ふふっ、だろーね。アタマ悪そ」


「正直に言うな!そこは、ボカせよなぁ~」


おちゃらけて笑顔になる祐は、昨日までのイヤな奴のイメージを、私の中ですっかり払拭していた。


「でだな…。亜沙美が溺れた時、居酒屋のオヤジが海に飛び込もうとしてたんだけどさ…

ヤジの中にいた男が…いきなり海に飛び込んで、あっという間に亜沙美を陸に引き上げたんだ」


…愛斗だよね、やっぱり。


「それから?」


「亜沙美の知り合いなんだよな…。アイツ、血相変えて、何度もお前の名前…呼んでた」


愛斗…


こんな私でも


一応心配はしてくれたんだ。