「みうさん、祐に話聞きに行ったんだ。…あの人いい人なんだけど、ちょっとお節介でしょ?」


私がフフっと笑うと、祐もフッと笑った。


「…だな。ウザイなーと思ったけど。自分は高校生の時、楽しい思い出より悲しい思い出しかないから、亜沙美にはそんな風になって欲しくないってさ。

わからない事ばかりでどうする事もできなくて、未だに後悔してばっかだ…って言ってたよ。あの人」


「みうさん…そんな事、言ってたんだ…」


私の知らない、みうさんと愛斗の高校時代。


お兄ちゃんの事知ってたんだと思ってたのに、みうさんは…お兄ちゃんが突然いなくなった理由も、居場所も…知らなかったんだよね。


今の私とは状況が違うけど


好きな人と思い通じ合えず、一方的に去られてしまった私の辛さは…


みうさんは、痛いほど…分かってくれてるんだ…。




「だから、オレが見た事。話すから。少しでも元気出せよ。

それと、学校は行け。高校辞めたら、いい事ないぜ。こんなオレでもさぁ、少しは未来への可能性広がったから」