はぁ、寝過ぎて頭痛い…。


今、20時かぁ。


ホテルの部屋は真っ暗。


みうさん、お兄ちゃんと一緒なのかな。きっと二人で食事中だね。


…今のうちに、お爺ちゃんちに帰ろう。




ベッドから起き上がり、部屋を出る。


扉を開くと、


見た事のある顔に出会った。


「…もう、大丈夫なのか?」


「うっわ…。今一番見たくない顔。どいてよ」


部屋の前には、祐がいた。


私に手出してきて、しかも自分だけ助かろうとして…


本当にサイテーなヤツ。


睨んでここを立ち去ろうとすると、祐が私の腕を掴む。


「悪かった…。オレ、明日朝一の船でここ出るから…一言謝りたくて」


「謝る?未遂で悪かったって?」


「い…いや、酒入ってたから…オレ、あんな事…」


「お酒のせいにするんだ?」


何コイツ。