「オレも疲れてたし…そのあとちょっとウトウトしててさ。気付いたら…もうその男はいなかったよ」


「その人…キミには危害くわえなかった?」


「へ、オレに?いや…別に」


「そっか…ならいいけど」


愛斗くん昔から喧嘩っ早いし、それはちょっと心配だったんだ。


「アイツ…亜沙美の何?すげー心配そうにしてた。


こんなん言うの、すげー不謹慎だけどさ。アイツが亜沙美を助けて、名前呼んでる姿…ドラマのワンシーン見てるみたいだった。


あの二人、お似合いじゃん。もしかして、あれが…亜沙美をフったオトコなんかな」


「亜沙美ちゃんをフった…」


「あぁ、それはオレの憶測。昨日亜沙美かなりヤケんなってたからさ。


一回ナンパ断られて懲りずに誘ったら、次は何故か乗り気で、呑んでもねぇのに、やたらテンション高いし…」