みうさん…


それは禁句だよ?





愛斗がうちのお母さんとすごく仲いいのは、昔からわかってた。


二人の間には、私との間にはない、何かがあるんだ。


信頼?


友情?


二人を見ていて…


子供ながらに、妬けたのを覚えてる。




ぼんやりしてると、みうさんが私の目の前にさっきの巻き貝を持ってくる。


「亜沙美ちゃん。この巻き貝、今朝愛斗くんと拾ったんだよ」


「…愛斗と?」


「そ。愛斗くん、昨日ずっと…島の端の公園で海の音聞いてたんだって。

聞いてたら安心したって言ってたから、私が巻き貝の海の音教えてあげたんだ」


愛斗は…昨日、あの公園にいたんだ?