それは…


砂浜に落ちている


貝殻。





「え…何?」


あまりに唐突で面食らう私に、みうさんが付け加える。


「今朝ね、海で拾ったの。昔、おばあちゃんに聞いたんだぁ。巻き貝を耳にあてると、海の音がするよって。

ほら…あててみて」


渡された小さな巻き貝を、そっと耳にあてる。





サワサワ…と


不思議な音がした。





不思議と心地良い音。


海の中に…


いるみたい。





「…ごめんね。愛斗くんを…引き止められなかった」


ポツリと呟くみうさん。





…いきなり、何言い出すの?