「亜沙美ちゃん、昨日の晩から一日寝てたんだよ?」


やっぱり…。


ガックリと肩を落とすと、みうさんが私の額にそっと手を差し伸べる。


「うん。熱もないね。午前中、一応お医者さんに看てもらったけど、軽いショック状態だろうって言ってた。

…何か思い出したくない事が、あったりする?」


みうさんは、何か言いたげに私をじっと見つめる。





思い出したくない事…。


愛斗にまたフラれた。





今度こそ…


諦めなくちゃ。






毎回そう思うのに、


少しでもチャンスがある度に


彼に近づこうとしてしまう。







…叶わないのに。





「亜沙美ちゃん…。あのね、これ…」


みうさんは、遠慮がちにポケットから何かを取り出すと、


そっと私の手に何かを乗せた。