「…関係ない、か」


朱兎は、何か考えるように口元に手をやると、広角をキュッと上げ私を見た。


「オレさぁ…気づいちゃったんだよね」


気づいた…って、何を?


朱兎は私の額に人差し指を突き立てる。


「亜沙美、オレとヤってる時、他のオトコのコト考えてたろ?」


「なっ…何言ってんの。バカじゃないの?」


「亜沙美、オレの名前一回も呼ばなかったじゃん」


「そんな…いちいち呼ばないし。朱兎って甘い声出して欲しかった?」