「ん…」


「…大好き。お願いだから…、今だけ…逃げないで」


唇の端から、途切れ途切れに話す舞の吐息は…甘かった。


抵抗するのも忘れ、唇を重ね合う。


吐息だけが響くカラオケボックス。


後ろでBGMや、他の部屋を出入りする店員の声が…微かに聞こえていた。








オレの腕をしっかりと掴んでいる舞の手から徐々に力が抜けていくのが分かった…。


そっと…唇を離すと、目の前の舞は


…泣いていた。