「お前、ちゃんと食った?」


テーブルの上のコーヒーカップを見て、花柳さんが眉をひそめる。


実はまだ食べてないんだ。仕事終わるのも遅かったし、今日の事考えたら…何かお腹が空かなくて。


相変わらず煙草の本数が増えてたから、余計かな。


「…まだです」


「オレもまだだから、場所変えて飲む?」


「えっ!いいんですか?」


嬉しいお誘い!しっぽ振ってどこまでもついて行く~っ!


「…急にテンション上がんだな。分かりやすいヤツ~」


話は…ちょっとお酒が入ってからの方がしやすいかもね。


微笑んだ花柳さんの背中を追いかけ、二人でお店を出た。