確か…黒谷くんだったはず。


中庭の隅っこで、植え込みに隠れて食べてたんだけどなぁ。


彼は私の横に腰を下ろすと、煙草に火をつけようとする。


「こらっ!これは没収」


バシッと手を弾き、彼の手から煙草を奪う。


「うわ~、んなコトすんの先生ぐらいだよ?」


口元は笑ってるけど、目は笑ってない。


このやんちゃな感じといい、睨んでるのに見とれてしまうような目元といい…


この子、本当に愛斗くんみたい。