「じゃ…すんません失礼します」


軽く頭を下げ、部屋を出た。


酔ってベロベロのおかんは、扉の側にいたオレがそっと出て行った事には全く気づいていない様子だった。


ハスキーな歌声が、部屋の中から聞こえる。


ったく何時まで歌う気だよ。


時計を見れば、2時だ。いい歳してオールか?…見た目はともかく、精神年齢と気力は、あの二人の方がオレより若いかもな…。


全く羨ましい気もせず、呆れ果てて駐車場へ向かう。


車に乗り、暗い車内で携帯を開いた。