今オレの目の前にいる
彼女は…


優羽吾の母さんだった。


「すみません!実は知ってて黙っていたんです。愛斗くんは…うちの息子の同級生で。昔から良くして頂いていて…」


そう言うと、優羽吾の母さんはオカンに何度も頭を下げた。


「とんでもない!うちの息子がお世話になっていたのに、何も知らず…」


「いえ、こちらこそ…」


…というやり取りがしばらく続く中、オレは座敷に上がり一人煙草に火をつけた。




しばらくして、とりあえず座りましょうかという話になったらしい二人が席につく。


今更だが…。オカンは横にいるオレを見るなり、煙草は吸うな!と、オレの手から、煙草を取り上げる。


それを見た優羽吾の母さんがクスクス笑う。


「…あ、そーだ。奥さん離婚したん?」


唐突なオレの質問に、優羽吾の母さんは目を剥く。