しゅんとして見せた俺に、紅葉は「でも、まぁ」と飴の詰まったビンを受け取った。


「ありがと、颯。」

そう言い、笑って。


それだけで、こんなにも嬉しくなるのは何でだろ。

何で、こんなに愛しく思えるんだろ。



「お、おう。」

何だかこっ恥ずかしくて、それしか言えなかった。




例えば。

『好きだ』と伝えた時。


その言葉に、どれだけの“好き”が込められているんだろうか。

どれだけの“好き”が伝わるのかな。


1パーセント?
100パーセント?


例え、それが君にとって1パーセントにしか感じられなくても。


俺は伝えるよ。



「なぁ、紅葉。」

「んー?」



100パーセント…いや、それ以上の言葉で。





「―――もう、離れんなよ。」




だって君の魔法は
永遠に解けない


―trick―







fin,