部屋に帰った月子は、鏡の前で全裸になった。

1日に何回も、鏡の中の己れをチェック。

湿疹が消えた所、新しく出来た所、成長過程の所、隅から隅まで点検していた。

こんな体…見た目はヒョウ…触るとサメ…。

人には感染しない病気と言え……男が見たらどう思うんだろう?

百年の恋も一瞬で氷るだろう。

どう考えても、修二さんには見せられない。

抱き合うなんて無理だ。

最後の弁当を作りましょう。

誠心誠意込めて、修二さんが喜ぶ最後の弁当を……。

その頃、修二は有頂天だった。

月子が店抜きのデートを了解してくれた。

俺に対し、お客以上の感情?

いいや、上客に対する店外接待か?

どちらでもいいや、取り敢えず約束したんだ。

観音さんの手作り弁当でデートさ♪

墨は……まだ暫くは隠し通す。

月子の気持ちを確認するまで……。

焦らずゆっくりでいい。

いつか、いつか俺の魂を見てくれ、月子……。