そんな時、修二は大山に呼び出しを受けていた。

「1ヶ月後に、稲田組で会議があるのや、跡目と格上げの会議や。今日入った情報では、嘘かデマかもわからんけど、お前の命と引き換えに格が決まるらしいわ。何人か兵隊つけても、俺かて心配やし、お前に死なれたら困るんや。修二よ、暫く何処かに身、隠すか?会議さえ終わってしもうたら、暫くは安心や」

「……そうですか…親っさん、わかりました…」

そう言えば…ここのところ、誰かにつけられている気配が幾度かあったような気がする。

……厄介な事になった。


月子は、原田にはもう一切、店に来ないように約束させ、暫くの間、ムーンライトをやり続ける事にした。

原田は、何でも言う事を聞くと言った。

客とのアフターも商売の内だと納得させた。

今は…水の流れには逆らえない…取り敢えず、店は継続していこう。

でも…どんなに諦めようと努力しても…修二さんが心から離れない。

体は原田に置き、心は修二さん…しかいない。