その瞬間。 目の前が輝く。 …俺は我が目を疑った。 目をゴシゴシこすって、もう一度 それを見た。 …夏だ!と言わんばかりに聞こえてくるセミの声。 「じゃあ。これは何だ?」 ―今の今まで当たり前だった その風景が。 それが。 桜の木が。 「咲いてる…。」 桜が咲いていた。 でも。 ―これは、ただの始まりだった。