いきなりこれでもかというほど大きな声で名を呼ばれ、驚きすぎたあまりちょっと魂が抜けた。
背筋がぴーんと伸びて、握りしめた携帯がぴきぴきと鳴っている。
心臓が胸を突き破らんばかりに飛び跳ねている。
「俺、スタメンになれたぞ」
選ばれたんだ! と小野寺は佳乃の肩を掴んで心底嬉しそうに言った。
よほど気持ちが昂ぶっているらしく、声がいつもより高い。
てっきり自分のことで何か言われるのだろうと想像していた佳乃は、束の間きょとんとし、やがて何を言われたのか理解すると、
安堵の息を吐く間もなく熱いものがこみ上げて、彼女の胸を埋め尽くした。
「ほっ、ほんと!?」
「ほんとうだ! 昨日、発表された。一年からは俺と桐野の二人だけだ」
「う、うわっ。すごいっ、すごいよ、小野寺くん!」
鈴森南高校は昔から勉学よりスポーツに力を注いでいる学校だ。
OBや後援会からの多額の寄付金を利用しさまざまな部活で毎年好成績を上げている。
昨年は、団体では女子バレー部、バスケ部、個人からは柔道部、水泳部のそれぞれ数名がインターハイ出場を決め、サッカー、卓球部がブロック大会に出場している。
野球部は地方大会準優勝という、あと一歩のところで惜しくも敗れてしまった。
通称鈴南(スズナン)高校の運動部はどこも人数が多く、特にバスケ、野球、サッカーの三大運動部は、三年間を通しても出場できずに引退する生徒が大勢いる。
その中で、一年のうちから出場切符を手にした小野寺に言える褒め言葉は、すごい、意外に思いつかなかった。
「きっと、応援に来いよ」
そう言った小野寺の頬がほんのすこし赤くなっていた。
まさかそんなことを言われるとは露ほどにも思わず、佳乃はどう返そうと思案しつつ俯いた。
「もちろん」と心の中ではすぐさま答えたのだけれど、いまの彼の顔を見ていると、余計な期待が頭の中をちらついて、言葉がなかなか喉元を通り抜けなかった。
そうこうしているうちに、返事は? と問うようにちらりと視線を向けられて、心臓が大きく飛び上がった。
「……うん。きっと」
背筋がぴーんと伸びて、握りしめた携帯がぴきぴきと鳴っている。
心臓が胸を突き破らんばかりに飛び跳ねている。
「俺、スタメンになれたぞ」
選ばれたんだ! と小野寺は佳乃の肩を掴んで心底嬉しそうに言った。
よほど気持ちが昂ぶっているらしく、声がいつもより高い。
てっきり自分のことで何か言われるのだろうと想像していた佳乃は、束の間きょとんとし、やがて何を言われたのか理解すると、
安堵の息を吐く間もなく熱いものがこみ上げて、彼女の胸を埋め尽くした。
「ほっ、ほんと!?」
「ほんとうだ! 昨日、発表された。一年からは俺と桐野の二人だけだ」
「う、うわっ。すごいっ、すごいよ、小野寺くん!」
鈴森南高校は昔から勉学よりスポーツに力を注いでいる学校だ。
OBや後援会からの多額の寄付金を利用しさまざまな部活で毎年好成績を上げている。
昨年は、団体では女子バレー部、バスケ部、個人からは柔道部、水泳部のそれぞれ数名がインターハイ出場を決め、サッカー、卓球部がブロック大会に出場している。
野球部は地方大会準優勝という、あと一歩のところで惜しくも敗れてしまった。
通称鈴南(スズナン)高校の運動部はどこも人数が多く、特にバスケ、野球、サッカーの三大運動部は、三年間を通しても出場できずに引退する生徒が大勢いる。
その中で、一年のうちから出場切符を手にした小野寺に言える褒め言葉は、すごい、意外に思いつかなかった。
「きっと、応援に来いよ」
そう言った小野寺の頬がほんのすこし赤くなっていた。
まさかそんなことを言われるとは露ほどにも思わず、佳乃はどう返そうと思案しつつ俯いた。
「もちろん」と心の中ではすぐさま答えたのだけれど、いまの彼の顔を見ていると、余計な期待が頭の中をちらついて、言葉がなかなか喉元を通り抜けなかった。
そうこうしているうちに、返事は? と問うようにちらりと視線を向けられて、心臓が大きく飛び上がった。
「……うん。きっと」

