キミは聞こえる

「………」

 友香に借りた格闘ゲームのお気に入りのキャラクターたちだ。根気強く日々こつこつ育てている。
 日本人とイギリス人とヒューマノイド。

 三番目は抜きにして、二人に共通するところを探す。

「俺は、そうだな……あんま真面目に考えたことなんかなかったけど、俺の話聞いて、笑ってくれる子、とか、いいかも……なんて」

 真面目に考えたことはないと言いながらずいぶん生真面目に答える桐野の話を聞きながら、えっ、と思った。

 外見の好みの話ではなかったのか。

 理想とは見た目だけではなく、中身の理想も含んでいいらしい。少なくとも、桐野の中ではそうなっているようだ。

 それならば、簡単だ。

「代谷は?」
「面倒かけない人、起こさない人」

 桐野は苦笑する。

「そんな人間いねぇだろ。代谷らしい答えっちゃあ答えだけど」
「だったらあとは……」
「あとは?」

 正面の桐野の顔が霞む。

 やがてぼやけたその奥に浮かび上がったのは静まり返った廊下だった。