なにを見たとか、読んだとかではない。ふと、なんとなく思い出したのだ。
あのテスト以来、クラスで孤立するようになった理那からはどんどん覇気がなくなって、顔色こそ保ってはいたものの、やつれているのは一目瞭然だった。
なにをしていても変わらない眸。
あれだけ燃えたぎらせていた憎悪の炎さえ消え失せてしまったように、小さくなった背中を丸めてぼんやりと日々を過ごしていた。
あのとき、理那はなにを考えていたのだろう。なにを思っていたのだろう。
怒りも、悲しみも、苦しみも、虚しさも、すべての感情をどこかに置き忘れてしまったように過ぎゆく時の流れにしゃがみ込んだまま、彼女はなにを考えていたのだろう。
どこを見ていたのだろうか。
彼女の背中は、彼女の手は、彼女の耳は、なにを望んでいたのだろう。
……私は、気づいていた。
彼女が傷ついていることを。彼女の胸の痛みを。焼け焦げそうなほど狂い荒んだ心を。きっと、誰よりもわかっていた。
それなのに。
気づいていたのに、なにも、できなかった。なにも、しなかった。
面倒くさい。
その一言を言い訳にして、目を背けていた。
あのテスト以来、クラスで孤立するようになった理那からはどんどん覇気がなくなって、顔色こそ保ってはいたものの、やつれているのは一目瞭然だった。
なにをしていても変わらない眸。
あれだけ燃えたぎらせていた憎悪の炎さえ消え失せてしまったように、小さくなった背中を丸めてぼんやりと日々を過ごしていた。
あのとき、理那はなにを考えていたのだろう。なにを思っていたのだろう。
怒りも、悲しみも、苦しみも、虚しさも、すべての感情をどこかに置き忘れてしまったように過ぎゆく時の流れにしゃがみ込んだまま、彼女はなにを考えていたのだろう。
どこを見ていたのだろうか。
彼女の背中は、彼女の手は、彼女の耳は、なにを望んでいたのだろう。
……私は、気づいていた。
彼女が傷ついていることを。彼女の胸の痛みを。焼け焦げそうなほど狂い荒んだ心を。きっと、誰よりもわかっていた。
それなのに。
気づいていたのに、なにも、できなかった。なにも、しなかった。
面倒くさい。
その一言を言い訳にして、目を背けていた。

