キミは聞こえる

 質問の意図が読めないとでも言うように設楽は答えた。

 やっぱり、と思った。
 やっぱり、この人にとって力を使うということは、その程度のことでしかないのだ。

「なんでそうも深刻に考える必要があるのかな? 俺にはそれがよくわからない。代谷サンだって使ってるじゃない。俺と会話をするときもそう。勉強合宿で千紗の財布を見つけようとしたときもそう。宝探しのときだって、ね、そうだったでしょ? もしかして、俺が気づいてないとでも思った?」
「……」

 言葉を詰まらせる泉に、ははーんどうやら俺の思った通りみたいだね、と設楽は器用に片眉をくいっと上げた。
 面白がっていることがありありと見て取れ、泉をますます不愉快にさせた。

「特別であることを不幸だなんて思ったらせっかく俺たちにこの力を与えてくれた神様が悲しむよ。与えられたら与えられた分、存分に活用して人のために事を為さなきゃ。奉仕精神的な?」
「ずいぶん大きなこと言ってるけど、そうやって何人もの女の人を手のひらで転がしてきたんでしょ。それが人のためだなんて胸張って言える?」
「言える」

 設楽は呆れるほど自信たっぷりに、はっきりと断言した。