純情BABY

「あ、あのさ。私も悪かったと思うんだ。ほら、昇と付き合ってた頃の私ってケバケバの厚化粧に髪だってくるくる巻いてたでしょ?
極めつけは超ミニスカート履いてたからさ。見た目で経験済みって思われても仕方ない格好だったもんね。だから別れたのはお互い様ってことで」




今も化粧ポーチに眠るラメ入りシャドウやマスカラを見ると、コテコテなメイクをしたくなるし、たまにはコテで髪を巻いてキラキラに自分を飾り立てたいって思ったりする。




だって、私そういう女子高生になるのが小学生の頃からの夢だったんだもん。




念願の高校生になってその夢をかなえたんだけど、お母さんや亜弥に実は似合わないって思ってたと言われたときはけっこうショックだったなぁ。




『・・・・・・よ』




「・・・え?ごめん考え事してて聞き逃しちゃった。何て言ったの?」




まだ憧れはあるけど、似合わないならキラキラメイクもくるくるのまき髪もしないでおこうなんて考えて、昇が何か言ってたのを思い切り聞き逃しちゃった。




だから謝ってもう一度言ってもらおうって聞き返したんだけど・・・





どうしたんだろう。昇、俯いたまま拳握り締めて、若干震えてるよ?