純情BABY

それから少しずつ教室に残る人の数が減っていって。



席に座りながらその様子をボンヤリと眺め教室に1人になって数分後。




「おしっ。まずはお化粧直ししよう」




カバンから化粧ポーチを取り出して、小さな手鏡をのぞきこむ。




メイクもあっさりしたものに変えたから、化粧時間も驚くほど短縮された。




ものの数分で終わってしまって、残ったのはいつまでかわからない待ち時間。




…………………。




暇だ。




暇すぎる。




何してこの暇な時間をやり過ごそうかな。





あ、そういえば。明日の英語、誰かに当てて教科書丸々1ページ訳させるって今日言ってたっけ。




この待ち時間利用してやっちゃえば、当てられるかもしれない恐怖と戦わずに済む。




家にいるとついTVとか雑誌とか見ちゃって予習なんてやる0な私だけど、教室内には当然そんな誘惑はないわけだし。




暇するくらいなら辞書片手に勉強した方が身になるんじゃない?




おおっ!?私ってば賢い!




渋谷がくるまでにちゃちゃっと終わらせちゃおうっと。




やる気満々な私は一度はカバンに仕舞い込んだ教科書と辞書を取り出して意気揚々と教科書を開いた。