純情BABY

本人にしてみればそれが普通なんだろうけど、人よりも数倍デカイ声で聞かれたお陰で、みんながこっちを見てきた。




一斉に振り向かれてたじろいだけど、ここで萎縮しちゃいけない。



だって私が帰らない理由。


それは渋谷とラブラブなんだって知らしめるためなんだもん。



今この状況を使わずしてどうするの!



そう奮起した私は原田に負けじと大きな声で言った。



「し、渋谷と約束してるからまだ帰らないんだよ〜」



……気合い入れすぎで渋谷の名前のとこで声が裏返ったのは残念だったけど。




でも、今の発言で一部の女子、しつこく今もまだ渋谷を狙ってる女子たちがざわめいたのを私は見逃さなかった。




『渋谷?生徒会あるんじゃねーの?』




「終わるの待つことになってるんだ」




女子たちが聞き耳をたててる中、原田と話しながら
カノジョっぽさをさりげなくアピールした。