純情BABY

意気込んでから数時間。
待望の放課後がやって来て、帰り支度をする人たちが大多数の中で私はというと…。




「亜弥〜〜っ」




『私は待たないって言ったよね?』




渋谷の生徒会が終わるまで…とはいかなくても、1時間、いや30分でも時間潰しに付き合ってと亜弥を説得するのに必死だったりする。




「お願いっ。ちょっとで良いから!」




カバンを持つ手にすがり付いて懇願したんだけど、




『いい加減この手離さないと殴るわよ?』




なんて物騒なセリフを笑顔で言われたら。




「ご、ごめんなさい。1人で待ちます」




恐ろしくて従うしかない。



未練がましく視線を送る私なんてお構い無しで、一番最初に帰った亜弥。




シュンと落ち込みながら教室で椅子に座ったら、同じクラスでバスケ部の原田に帰らないのかと聞かれた。