純情BABY

渋谷はもたれ掛かってた保健室の入り口から背を起こして、1歩私に近づいた。



そして右手をゆっくりと私に伸ばしてくる。




それをぼんやりと見ていたら、おでこ付近で止まって……




「いぎゃっ!!」




ビシッという音が頭に響いた。



途端にジンジンするオデコを抑えれば、




『今の何語だよ!』



なんて言いながら思いきり笑われた。




で、デコピンされた!!




しかもかなり強めの力でっ!!!




半端なく痛いんだけどっ!!!!!




何でいきなりデコピンなワケ?




「何すんのよっ。意味わかんないっ!!」





オデコをさすりながら言うと、渋谷は笑うのを止めて、首を傾げこう言った。





『意味わかんないのは俺の方なんだけど?』






「………は?」




ますます意味がわからなくなった。