純情BABY

優等生演じてる方が便利だって言ったのは渋谷なのにそんな笑い方見せたら、ダメじゃん!




そう思いつつも渋谷の素の笑顔を見てドキドキときめいてしまって何も言えない。




そんな私をよそに渋谷は更に言葉を続けた。





『噂なんてあてにならないよな。いざヤろうとしたら思いきり拒否られた。なぁ、アンタも拒否られたんだろ?』




夏樹を指差して問いかける。どうして夏樹が元カレって知ってるのかな。

さっきのちょっとしたやり取りで気付いたのかな。
だとしたらさすが優等生。勉強だけじゃなくて他の事にも頭の回転が早い。




夏樹はバツの悪そうな顔で、でも渋谷も拒否られたとわかり、仲間意識が沸いたのか吹っ切ったように『そうだよ』とニヤニヤしながら言った。




更には『今までの奴らにはヤらせて俺や渋谷にはヤらせないとか不公平だよなあ?』と渋谷に同意を促してるし。




最っ低。夏樹は本当にH拒否したから私をフッたんだ。


私は急に拒否しはじめたんじゃなくて、最初から全員!拒否してるんだよ!



告られて後先考えずにOKした過去の自分を殴ってやりたい。




ついでにこんな不名誉な噂を流したヤツも思いきり蹴飛ばしてやりたい!