純情BABY

「……もういい」





私の言いたいことは伝わらない。





伝えたくて頑張っても渋谷はきっと今みたく突っぱねるんだ。





きっとメイワクって言葉で壁を作っちゃうんだ。





これ以上一緒にいるとそれでも、何とか伝えようとして私は自分の想いを押し付けちゃう。




そんな事したらもっと渋谷が遠くなる気がした私は、クルリと背を向けて歩き出した。





『おい、どこ行くんだよ』




「ごめん。次の英語の授業、今日まで提出しないといけないプリントあったの。私まだ半分も出来てないんだよね。戻って全部書き込まなきゃ!」





そんなプリント存在しないんだけど、それだけ言い捨てると、渋谷の呼び止める声をシカトして走り去った。