『俺、香織と付き合おうかと思って。

だから美鈴とは今日でお別れって事でよろしく』




放課後、隣のクラスの彼氏・夏樹と一緒に帰ろうと迎えに行っていきなりそう告げられた。





言葉の意味を理解できずに固まる私。




『美鈴ぅ、ごめんねぇ?

香織も夏樹が好きになっちゃってぇ』




甘ったるい鼻にかかった声でわざとらしく語尾をあげながら香織が追い討ちをかけるように言う。




ふたりは腰に手を回しあっていて、今これからお付き合いします!って関係にはとても見えない。




そして香織の首筋にある小さな内出血の痕を見て瞬時に悟る。





ああ、もうふたりの関係はそこまで進んでるんだ、と。




呆然とする私に、『じゃーな』とあっさりサヨナラを告げて、ふたり仲良く帰っていくのを、見てることしか出来なかった。