「そうだね。もうこんな時間だしね」 時計を見ると確かにそろそろ帰ったほうが良い時間だった。 けれど、和紗はもっとこの場所にいたい。 けれど、早くここから去ってしまいたいという思いもあって。 今は明らかに後者が勝っていた。 「じゃあ、またね」 そそくさと鞄を持ち、ドアを開けた。 部屋を出るとき、背後から「明日は遅刻はなしだ」と聞こえた気がしたが、和紗は振り返らなかった。