「遅ぇよ」 って、あれ? 「ごっ、ごめん」 無表情でそう一言だけ言う尚。 何かー……普通じゃない? 昨日あたしの事抱きしめてきたよね? なのに……この変わらなさは何? 「早く行くぞ」 そう言って尚はそそくさと背を向けて歩き出してしまった。 これは……変に意識をするべきじゃないのかな。 尚にとっては、仲間として抱きしめただけ? とくに深い意味はないって事? そーだよね。 何……あたし期待しちゃってんだろう。 分かってた事なのに。 ははは。 自分が笑えてきちゃうよ。