【短】隣のお兄ちゃんと私

「だけど…名前で呼んでほしいのは本心だ」



そう言う俺に対して、しばらく考え込んだ奈美だったが、



「努力します」



との言葉をいただいた。その言い方があまりに棒読みだったのがおかしくてまた笑いが出た。


すると、腕のなかにいた奈美はがばっと俺の腕の拘束をとき、顔を正面に持ってくると、こう言い放った。


「け、け、賢斗は意外と笑い上戸だよねっ!」



一生懸命言ってくれたことが嬉しくてまた笑いが止まらなかった俺だったが、その後顔を真っ赤にした奈美におしかりをいただいたのは言うまでもない。




☆えんど☆