【短】隣のお兄ちゃんと私

後ろを向いた奈美に、やりすぎたか?と少し焦ったが、よくよく見ればほっぺたがぷくっと膨れていて…また笑いがこみあげてくる。 

なにしろ、奈美があんな風に俺にたいして怒ったのは初めてだったし、その怒り方はまるで子犬のようだった。


たしかに他の男からの電話をひったくられた挙げ句、自分には呼んでくれない下の名前を、いともあっさりと他の男に呼び掛けたことは、ぐらぐらと腹の底が煮えたぎるように腹がたった。


でもまあ、罰と称してたっぷり奈美のやわらかな唇を味わえたし、途中で気は済んでいた。