【短】隣のお兄ちゃんと私

しかし…



「…くくくっ」



よく見れば、肩を震わせているお兄ちゃん。


むっかーと、後悔から一転、またもや怒りがこみあげてくる。


と同時に、お兄ちゃんの手の平で踊らされているような自分に情けなくなってくる。


色んな感情が膨れ上がって、じわっと涙が浮かんでくるのが自分でもわかった。

泣いてるのを見られたくなくて慌ててお兄ちゃんに背を向けた。


そんな私をけげんに思ったのか、お兄ちゃんは「奈美?」と声をかけてくるが、今喋ったら声が震えそうなので、だんまりを決め込む。