【短】隣のお兄ちゃんと私

「お前…俺が女とキスするところを見ただろ?」

「え?ええ?」


獲物を追い詰めるように、じわじわと奈美を追い詰める。



「なんでそれを見て、俺と会わなくなるんだ?」

「う…。そ、そんなとこ見てないよ?」



まだしらをきるか。



「嘘付け。義人から聞いた」



そう言うと、奈美は口の中でなにか悪態をついていた。まあ、義人には可哀想だが、後から制裁を受けてくれ。


そんな非道な考えを抱きつつ、



「ん?言ってみろ」



と今度は優しく問いかける。飴とムチの要領だ。


そしてやっと奈美は観念した。



「おおおお兄ちゃんが好きだったの!!!」