【短】隣のお兄ちゃんと私

部屋に入ってから5分ほどたっただろうか?


おもむろに、奈美が立ち上がった。


後から考えれば、俺がいる方とは逆の部屋の隅にある本棚に向かっていたんだろうということは明らかだったが…


俺にはそれが、なぜか俺から逃げるように見えた。


それだけ精神的に焦っていたということだと思う。



ーーーがしっ



気づけば俺は、奈美の腰をつかみ、そのまま自分の膝の上に引っ張っていた。


柔らかい身体、シャンプーのさわやかな香り。


俺の腕の中に奈美がいる。


それだけで、気分が高揚するのを感じた。