【短】隣のお兄ちゃんと私

やっと、やっと奈美に近づく大義名分ができた。


隣の家にもかかわらず、その距離は遠かった。



さっそく来週からという話だったが、俺はすぐにでも行きたいくらいだった。


だめだ。


自分が焦っているのがわかる。


落ち着け。ここで失敗すれば、もう終わりだ。


確実に奈美を手に入れる。俺の頭にはそのことしかなかった。


とりあえず、奈美と二人きりではなしたい。おばさんがいたんじゃ、いつ邪魔されるか分からないからな…

そうして俺は家庭教師の前日、母親に映画のチケットをもらい物だからといって渡し、隣の家の母親共々家から追い出すことに成功した。