【短】隣のお兄ちゃんと私

奈美と…話した?



「何を…話したんだ?」



少し動揺したせいか低い声になってしまった俺に、義人はあわてて喋りだす。



「いや、俺が見てる限りでは、最初に避け始めたのは奈美の方だったから、その理由を聞き出したんだ」



『避けられている』ということを他人の口からあらためて聞くと、きついものがあるな…


そう思いつつも、その先が気になり、目線で義人に話すよう促す。



「そ…そしたら、奈美のやつ、兄ちゃんが好きだからだって言ったんだ!」




……



今の話はどこをどうしたらつながるんだ?原因と結果がてんでばらばらじゃないか。



「お前の聞き間違いじゃないのか?」



思わず、義人を疑いの眼差しで見る。