【短】隣のお兄ちゃんと私

そんな俺を見て、親は喜んだ。

無愛想ではあっても、適度に真面目に生きていた俺が、急に生活態度が悪くなったんだから、心配もしたんだろう。

何も言わなかったが、言葉のはしばしに俺が元に戻ったことを喜ぶ気持ちがあふれていた。


だが、弟の義人だけは違った。


俺に何があったのか、うすうす気づいていたみたいだった。


昔から俺によくなついた義人は、大きくなった今でも、兄ちゃん兄ちゃんといって俺にかまってきた。

だからか、家族で一番俺を理解しているのは義人だった。




俺が生活態度を改めた後、バイトから疲れて帰ってきたある日。


俺は大学2年生になっていた。

義人と奈美は高校1年生。


もうずっと顔すら合わしていないけれど、俺が好きなのは、今も奈美だけだった。