【短】隣のお兄ちゃんと私

その事実に直面したとき、俺は胸がぎゅっと苦しくなるのを感じた。


それと同時にすとんと受け入れたんだ。




俺は、奈美のことを一人の女の子として好きなんだと。



まわりの女には『無愛想』とか『冷たい』とか言われる俺が、奈美といると優しい気持ちでいられるのは、奈美が好きだから。



義人と奈美の結婚が、冗談でも不快だったのも、奈美が好きだから。




だけど、気持ちを自覚したときには、奈美との距離は遠く離れてしまっていた。