突然のことであたしは思わず手を引っ込めた 蒼太は夕陽さんをあたしから離すと間に割って座ってきた 「何してんだよっ!」 「あっちでの生活が長かったろ?」 悪びれる様子もなく夕陽さんは立ち上がって 「まぁ…明日から頼むね?花梨ちゃん」 と部屋から出て行った 「…あっちって?」 あたしは蒼太を見ながら口づけされた手の甲をさすった 「……1年間…パリで勉強してきたんだ」 「…1年間って…」 それはあたしの前からいなくなった理由?