『雅、まだ授業始まるまで
  時間あるから』

 「へ?」

 『私の教科書
  取り返してきて!!!』



 あさみんが勢いよく言う。

 いきなり…。

 何を言ってるんだ、この子。



 って思った。



 「なんで」

 『なんでじゃない!
  雅の教科書貸しなね?

  だから、私の教科書
  持ってきて』


 「あさみん…」

 『わかったら、行く!!!!』

 「うん」



 そう一言

 返事をして

 あたしは走りだした。



 そのあと

 あさみんが

 何かを言った。



 『雅!!-------!!』


 
 って…。

 聞こえなかった。



 けど、あたしは

 龍のとこへ急いだ。