あれは、あたしが中2の時だった。 『ごめんな…雅…』 あたしの頭の上に大きな手がのっかる。 その手は、お父さんの手。 大好きな大好きなお父さんの手だった。 悲しい表情をして、あたしを見つめる。 「お父さん…?」 『雅…イイ子に育つんだぞ?』 キィー…ガチャン--- 玄関の扉が閉まった。 お父さんは、あたしを置いてったのだ。 あたしとお母さんを。