消えたい

母の手には

包丁が握られていた

先が鋭く光っている


私はそのまま

気が遠くなり

倒れた





どれくらい時間が過ぎたんだろう


そこは

玄関だった


ぼやけた目で周りを見渡す

母の姿は無く


机に包丁が

刺さっていた