「唄ぁっ?」

「えっ!?あ、ごめん、何??絵理子。」

「どーした?ぼーっとして?」


久しぶりに会えたかと思えば朝からぼーっとしてるし!

って友達の羽山 絵里子《ハヤマエリコ》から注意されてしまった…


「別に?!」

「いつ連絡しても“今、図書館”って言うんだもん、登校日ぐらいかまってよ〜?」

「ごめん、ごめん。」


抱きついてきた絵里子に笑いかけると妙な視線


「な…何?」


じっと見つめてくる絵理子。


「何かあった?」

「何があるのよ!!?」

「唄変わった!!…彼氏でもできたの?」


隠し事は禁止よ!と言わんばかりの顔で問いつめてきた…


「そんなはずないじゃん!!」

「じゃあ吉田と何があったの??」

「は??何かあったって前提なの?」

「吉田の様子がおかしいからさ。」


そういえば、いつもなら話しかけてくる吉田が今日は一度も来ない。


「何かあったんでしょ?」

「別に…」


吉田の名前が出て、心臓が少し跳ねた。


「あんたらお互いが分かってないだけで案外いい感じだよ?少なくとも吉田は唄の事…好きだと思うけど?」


何で?どう見たらそう見えるんだろう…


「あの…さ、」