「汚れたものよ……世界も、私も…」 くく…っと再び喉奥が鳴ると、今度は明確な笑みが女の口許に浮かんだ。 純白から漆黒へと色を変えた頃、女はまだ魔女と呼ばれてはいなかった。 ―――堕天 女は自らそう名乗っていた。 しかしいつの頃からか、人には無い力を持つ女を人々は魔の文字を以てして呼ぶようになる。