これは以前、出勤中に新宿駅であったときの言葉だ。

僕は会社に向かって足早に急いでいたとき彼を見かけて声をかけた時に、
「現在は何をやっておられるのです?実は私の兄が自分に向かって何度も言い聞かせてくれた言葉があります。私も時々その言葉を思い出すのですが、男は25歳までに自分の生きる道を決めてそれに向かって決心を固めて生きることが重要だと言っておりました。」と彼が僕にいった。

僕が25歳を過ぎてしまったいまでも、彼のこの言葉を思い出す。

いまとなっては行方の追えない彼、消えてしまった彼、東京で消息を絶った、断絶を死としては理解すること、東京の死とはこんなにも味気のないものなのか。