「ちょっと散歩しようかと思って…。」 我ながら、なんて無理のある理由なんだろう…。 「こんなに寒いのに、何も上に羽織らないで散歩すんのかよ?」 先生は自分が着ていたコートを私に着せると、再び強く抱きしめる。 先生がずっと着ていたからかな…? コート…すごく温かい…。 ……って、そうじゃないよ。 「せっ…先生、離して下さい…!もし誰か学校の人に見られたりしたら……!」 私は慌てて離れようともがくけど、離れられるどころか、逆に先生の方に体を向けさせられた。